「週末、車で気軽にキャンプに出かけたい」そんな思いから、筆者が初めて車中泊キャンプに挑戦したのは2年前のこと。でも最初は何を持っていけばいいのか全くわからず、ネットで調べても情報がバラバラで混乱しました。
実際に何度も車中泊キャンプを経験してわかったのは、「本当に必要なものは意外と少ない」ということ。この記事では、車中泊キャンプに必要な持ち物を優先度別に整理し、予算に合わせたモデルプランまでご紹介します。
車中泊キャンプに必要なもの一覧
まずは全体像を把握しましょう。優先度を★マークで表示していますので、予算や経験に合わせて選んでください。
寝具・快適装備(★★★必須)
- ★★★ 寝袋(シュラフ)またはブランケット
- ★★★ マット・エアーベッド(車内床面用)
- ★★ 枕または衣類で代用
- ★★ カーテンまたはサンシェード(目隠し・断熱用)
- ★ ポータブル扇風機または小型ヒーター
食事関連(★★〜★★★)
- ★★★ クーラーボックスまたは保冷バッグ
- ★★★ 飲料水(2L以上)
- ★★ カセットコンロまたはバーナー
- ★★ 調理器具セット(鍋、フライパン、包丁、まな板)
- ★★ 食器・カトラリー
- ★ コーヒードリッパーなど嗜好品グッズ
照明・電源(★★★)
- ★★★ LEDランタン
- ★★★ スマホ充電用モバイルバッテリー
- ★★ ヘッドライト・懐中電灯
- ★ ポータブル電源(長期滞在時)
衛生・トイレ関連(★★★)
- ★★★ ウェットティッシュ・除菌シート
- ★★★ ゴミ袋(複数枚)
- ★★ 簡易トイレ(緊急用)
- ★★ 歯ブラシセット・洗顔用品
その他便利アイテム(★〜★★)
必須アイテム詳細解説
ここからは、車中泊キャンプで絶対に外せないアイテムについて、選び方のポイントと注意点を詳しく見ていきます。
寝袋(シュラフ)
車中泊の快適さを決める最重要アイテムです。筆者が真冬の道の駅で寒さに震えた経験から言えるのは、「季節に合った温度対応のものを選ぶべき」ということ。
選び方のポイント:
- 使用シーズンの最低気温より5℃低い対応温度のものを選ぶ
- 車内なので封筒型(レクタングラー)が使いやすい
- 洗濯可能なものが衛生的
春〜秋の3シーズン用なら5,000〜8,000円程度、冬用(-5℃対応)なら10,000〜15,000円が相場です。「夏だから薄いブランケットで大丈夫」と思いがちですが、標高の高いキャンプ場では夜冷え込むので要注意。
こんな人には向かない:毎週のように出かける予定がなく、年1〜2回程度なら、家にある毛布や布団で十分代用できます。
マット・エアーベッド
「車のシートをフラットにすれば寝られる」と考えていた初心者時代の筆者。実際は段差や硬さで背中が痛くて一晩中寝返りを打っていました。
車中泊用マットは大きく3タイプ:
- インフレーターマット(5cm厚):自動膨張、コンパクト、7,000〜12,000円
- エアーベッド:電動ポンプで膨張、ふかふか、5,000〜10,000円
- ウレタンマット(折りたたみ式):安価・丈夫だが嵩張る、3,000〜6,000円
おすすめは厚さ5cm以上のインフレーターマット。車種によってはシート段差が気にならない人もいますが、実際に寝てみて判断してください。ちなみにワゴン車やミニバンの場合、セカンドシートを倒した全長を測ってから購入しましょう(だいたい180〜200cm必要)。
カーテン・サンシェード
これは絶対に妥協してはいけません。
道の駅で一晩過ごした際、目隠しを適当にしていたら、朝5時に散歩中の方と目が合って気まずい思いをしました。プライバシー保護はもちろん、夏は遮熱、冬は断熱効果があるので快適性が段違いです。
車種専用設計のサンシェードが理想的ですが、10,000〜20,000円とやや高め。節約派なら100円ショップのアルミシートや遮光カーテンをDIYで取り付けてもOK。吸盤フックとつっぱり棒があれば1,500円程度で自作できます。
LEDランタン
車内照明だけでは足元が暗く、夜中にトイレに行くときなど不便です。LEDランタンは1つで十分ですが、以下の条件を満たすものを選びましょう:
- 明るさ調整機能つき(就寝前は暗めに)
- 吊り下げフック・マグネットつき
- 連続点灯10時間以上
- USB充電式または乾電池式
価格は2,000〜4,000円が主流。100円ショップのLEDライトでも代用可能ですが、明るさが不足しがちなので、できれば300ルーメン以上のものを1つ持っておくと安心です。
クーラーボックス
食材の鮮度を保つために必須。ただし車中泊の場合、大型のハードクーラーは邪魔になります。
容量の目安:
- 1泊2日・1〜2人:15〜20L
- 1泊2日・3〜4人:30〜40L
- 2泊以上・ファミリー:50L以上
真夏以外なら、ソフトクーラーバッグ(3,000〜6,000円)でも十分です。保冷力を高めるコツは、事前に保冷剤を冷凍庫で凍らせ、飲み物もあらかじめ冷やしておくこと。クーラーボックス内の空気が少ないほど保冷効果が持続します。
あると便利なアイテム
なくても困らないけれど、あると車中泊の快適度が格段に上がるアイテムたちです。
ポータブル電源
正直、初心者には不要です。価格も50,000〜150,000円と高額。
ただし以下に当てはまる人は検討の価値あり:
- 2泊以上の長期滞在が多い
- 電気毛布や小型冷蔵庫を使いたい
- リモートワークで車内でPC作業をする
- 災害時の備えとしても考えている
筆者は20回以上車中泊をしてから、ようやくポータブル電源を購入しました。最初はモバイルバッテリー(10,000mAh、3,000円程度)で十分です。
アウトドアチェア・テーブル
車内で食事をするのもいいですが、天気が良ければ外で食べたくなります。
おすすめはコンパクトに収納できるローチェア(座面高30cm前後)。価格は3,000〜8,000円。背もたれがリクライニングするタイプなら、昼間の休憩時に仮眠もできます。テーブルは折りたたみ式のアルミ製(2,000〜5,000円)が軽くて便利。
ただし荷物が増えるので、「車内で完結させたい」派の人には不要です。
タープ
雨の日や強い日差しの日に活躍。車のバックドアやサイドドアに連結すれば、リビングスペースが広がります。
初心者には設営が簡単なヘキサタープ(六角形)がおすすめ。8,000〜15,000円が相場です。ただし設営にはペグとロープの知識が必要なので、最初の数回は省略してもOK。慣れてきたら追加しましょう。
簡易トイレ(緊急用)
これは意見が分かれるアイテムですが、筆者は必携派です。
道の駅やRVパークにはトイレがありますが、深夜は離れた場所まで歩くのが億劫。特に冬の寒い夜や、体調が悪いときは車内で済ませられる安心感があります。凝固剤つきの簡易トイレなら1回あたり100〜200円、5回分セットで1,000円程度。使わなくても車に常備しておけば防災グッズにもなります。
ポータブル扇風機・小型ヒーター
夏と冬の車中泊には必須級。
夏(6〜9月):USB充電式のクリップ扇風機(2,000〜4,000円)があるだけで睡眠の質が変わります。窓を少し開けて換気しながら使用してください。
冬(12〜2月):カセットガス式ヒーター(8,000〜15,000円)が効率的。ただし車内で使う際は必ず換気を行い、一酸化炭素中毒に注意。電気毛布(5,000円前後)をポータブル電源で使う方が安全です。
予算別モデルプラン

それでは実際に、予算別の装備セットを見ていきましょう。すべて参考価格です。
最低限スタート:3万円プラン
「まずは試してみたい」「年に1〜2回だけ」という人向け。
| アイテム | 参考価格 |
|---|---|
| 3シーズン用寝袋×2 | 12,000円 |
| ウレタンマット(4cm厚)×2 | 6,000円 |
| 100均アルミシート・カーテン | 1,500円 |
| LEDランタン | 2,500円 |
| ソフトクーラーバッグ(20L) | 4,000円 |
| カセットコンロ+ガス缶 | 3,500円 |
| 合計 | 29,500円 |
このプランの特徴は、「家にあるものを最大限活用する」こと。食器や調理器具は家から持参、枕は衣類で代用すれば、さらに予算を抑えられます。ただしマットの厚みが薄いので、腰痛持ちの方には少し厳しいかもしれません。
標準快適:7万円プラン
「月1回ペースで楽しみたい」「快適に過ごしたい」という中級者向け。
| アイテム | 参考価格 |
|---|---|
| 4シーズン用寝袋×2 | 22,000円 |
| インフレーターマット(5cm厚)×2 | 18,000円 |
| 車種専用サンシェード | 12,000円 |
| LEDランタン(高機能) | 4,000円 |
| ハードクーラーボックス(30L) | 8,000円 |
| カセットコンロ+調理器具セット | 6,000円 |
| アウトドアチェア×2 | 8,000円 |
| 折りたたみテーブル | 3,500円 |
| 合計 | 71,500円 |
このプランなら春夏秋冬どの季節でも対応可能。マットの厚みがあるので朝までぐっすり眠れます。チェアとテーブルがあれば、外での食事や焚き火タイムも楽しめる余裕が生まれます。
こだわり充実:15万円プラン
「週末ごとに出かけたい」「家族で快適に過ごしたい」という上級者・ファミリー向け。
| アイテム | 参考価格 |
|---|---|
| 高品質ダウン寝袋×2 | 40,000円 |
| 車中泊専用エアーマット×2 | 28,000円 |
| 車種専用サンシェード(全窓) | 18,000円 |
| 充電式LEDランタン×2 | 8,000円 |
| 高性能クーラーボックス(50L) | 15,000円 |
| ツーバーナー+調理器具フルセット | 12,000円 |
| リクライニングチェア×2 | 16,000円 |
| ヘキサタープ+設営道具 | 12,000円 |
| ポータブル電源(500Wh) | 60,000円 |
| 合計 | 209,000円 |
予算15万円は少しオーバーしていますが、ポータブル電源を除けば149,000円に収まります。この装備があれば、真冬のスキー場や真夏の海でも快適に車中泊キャンプを楽しめます。ファミリーで頻繁に利用するなら、長期的にはコスパが良い投資です。
実際に使ってわかった、あると助かる小物たち
大物アイテム以外で、筆者が「持ってきて良かった!」と感じた小物類をご紹介します。
- S字フック(5個セット):天井のグリップに吊るしてゴミ袋やランタンを掛けられる。100円ショップで十分
- 物干しロープ・洗濯バサミ:濡れたタオルや水着を干せる。車内に張れば目隠しカーテンの補助にも
- 養生テープ:窓の隙間風対策や、破れた箇所の応急修理に万能
- 耳栓・アイマスク:道の駅は意外と騒音があります。特にトラックのアイドリング音対策に
- 圧縮袋:使用後の寝袋や衣類をコンパクトに収納。帰りの荷物がスッキリ
これらは合計でも2,000〜3,000円程度。でも快適性への貢献度は高いです。
初心者が陥りがちな失敗と対策

最後に、筆者の失敗談から学んだ教訓をシェアします。
失敗1:荷物を詰め込みすぎて寝るスペースがない
初めての車中泊で、「念のため」とあれこれ持ち込んだ結果、荷物で足元が埋まり窮屈な一夜を過ごしました。対策:事前に車内で荷物配置をシミュレーション。使わないものは思い切って置いていく勇気も必要です。
失敗2:換気不足で朝起きたら窓が結露だらけ
冬の車中泊で窓を完全に閉め切ったら、呼吸による水蒸気で車内が結露。拭き取るのが大変でした。対策:窓を1〜2cm開けて換気。虫除けネットをつければ虫の侵入も防げます。
失敗3:スマホの充電を忘れて翌日困った
モバイルバッテリーを持参したものの、前日の充電を忘れて空っぽ。ナビが使えず帰り道で迷いました。対策:出発前日にモバイルバッテリーとスマホ両方をフル充電。車のシガーソケット充電器もあると安心。
季節別の注意ポイント

春・秋(3〜5月、10〜11月)
最も快適なシーズン。ただし朝晩の冷え込みに注意。標高の高い場所では5℃以下になることも。寝袋は10℃対応以上を選びましょう。
夏(6〜9月)
最大の敵は暑さと虫。窓を開けての換気が必須ですが、網戸がないと蚊が入ってきます。車用網戸(2,000円程度)を用意するか、虫除けスプレーを忘れずに。また、クーラーボックスの保冷力が試されるシーズンなので、保冷剤は多めに準備を。
冬(12〜2月)
防寒対策が生命線。-5℃対応の寝袋でも、標高の高い場所では不十分なことがあります。湯たんぽ(1,500円)やカイロ(貼るタイプ)を寝袋内に入れると暖かさが段違い。また、窓の断熱をしっかり行わないと、車内が冷蔵庫状態になります。
よくある質問
Q1. 車中泊って初心者でも安全にできますか?
はい、適切な場所と準備をすれば安全です。初心者はまず、管理されたRVパークやオートキャンプ場での車中泊から始めることをおすすめします。道の駅での車中泊も可能ですが、施設によってはルールが異なるため、事前に確認が必要です。また、エンジンをかけっぱなしでの就寝(アイドリング)は、一酸化炭素中毒のリスクがあり、周囲への騒音問題にもなるため絶対に避けてください。夏は窓を開けて換気、冬は適切な寝袋で対応しましょう。
Q2. 軽自動車でも車中泊はできますか?
できます。筆者も軽バンで何度も車中泊をしています。ただし、セダンタイプの軽自動車はシートがフラットにならないため、やや厳しいかもしれません。軽ワゴン(N-BOX、タント、スペーシアなど)なら、後部座席を倒せば大人1人は十分寝られるスペースが確保できます。身長が高い方(175cm以上)は、斜めに寝るなどの工夫が必要です。事前にシートアレンジで実際に横になってみて、寝られそうか確認することをおすすめします。
Q3. 予算3万円では厳しいでしょうか?もっと安くできませんか?
工夫次第でさらに抑えられます。寝袋の代わりに家の毛布や布団を持ち込む、マットの代わりに座布団やクッションを敷き詰める、といった方法なら1万円以下でのスタートも可能です。ただし快適性は犠牲になります。筆者の経験上、最低でも寝袋かマットのどちらかは専用品を用意した方が、翌日の疲労感が全く違います。「試しに1回だけ」なら最低限の装備、「これから続けたい」なら3〜5万円の初期投資は惜しまない方が結果的に満足度が高いです。
Q4. 女性一人での車中泊は危険ですか?
適切な場所選びと防犯対策をすれば、過度に心配する必要はありません。ただし以下の点に注意してください:①明るく人通りのある場所(RVパーク、管理されたキャンプ場)を選ぶ ②窓の目隠しを完全にして外から見えないようにする ③ドアロックを必ず確認 ④緊急連絡先(友人や家族)に居場所を伝えておく ⑤防犯ブザーを手の届く場所に置く。人里離れた山奥や、夜間に人気のない道の駅は避けましょう。不安な場合は、女性専用エリアのあるキャンプ場を選ぶのも一つの方法です。
Q5. ペットと一緒に車中泊はできますか?
可能ですが、ペットの体温調節に十分注意してください。犬や猫は人間以上に暑さ・寒さに敏感です。夏は必ず窓を開けて換気し、ポータブル扇風機を用意。冬はペット用ブランケットやヒーターマットを用意しましょう。また、道の駅やRVパークの中にはペット同伴不可の施設もあるため、事前確認が必要です。ペット可のオートキャンプ場なら、周囲も動物連れなので気兼ねなく過ごせます。排泄物の処理袋や、鳴き声対策(普段から車に慣れさせておく)も忘れずに。
まとめ・持ち物チェックリスト
車中泊キャンプの魅力は、「思い立ったらすぐ出発できる気軽さ」にあります。
この記事のポイントをまとめます:
- 最優先は寝具と目隠し:寝袋(またはブランケット)、マット、サンシェードがあれば最低限の車中泊は可能
- 予算は目的に合わせて:年1〜2回なら3万円プラン、月1回以上なら7万円プランが快適性とコスパのバランスが良い
- 小物の工夫で快適度アップ:S字フック、耳栓、圧縮袋など、1,000円以下のアイテムが意外と役立つ
初めての車中泊に出かける前に、このチェックリストを確認してください:
【出発前チェックリスト】
- □ 寝袋・ブランケット
- □ マット・エアーベッド
- □ サンシェード・カーテン
- □ LEDランタン(充電確認)
- □ モバイルバッテリー(充電確認)
- □ クーラーボックス+保冷剤
- □ 飲料水・食材
- □ 調理器具・食器
- □ ウェットティッシュ・ゴミ袋
- □ 着替え・タオル
- □ 洗面用具
- □ 薬・救急セット
- □ スマホ充電器
- □ 現金(施設によってはキャッシュレス不可)
完璧を目指さず、「まず1回やってみる」精神が大切です。実際に経験してみると、自分に本当に必要なものが見えてきます。週末の空いた時間に、近場の道の駅やキャンプ場で一晩過ごしてみませんか?朝、車の窓を開けたときに感じる新鮮な空気と、いつもと違う景色。それが車中泊キャンプの