ワインショップに行くと、カベルネ・ソーヴィニヨン、シャルドネ、ピノ・ノワール…聞き慣れない名前がずらり。どれを選べばいいか分からず、結局「おすすめ」と書かれたものを手に取っていませんか?
実はぶどう品種を知ることで、ワイン選びが驚くほどラクになります。この記事では、初心者が最初に押さえるべき品種の特徴と、失敗しない選び方を具体的にお伝えします。
そもそもぶどう品種とは
ぶどう品種とは、ワインの原料となるぶどうの種類のことです。私たちが普段食べている巨峰やシャインマスカットとは異なり、ワイン用のぶどうは小粒で酸味や糖度が高く、皮が厚いのが特徴。世界には数千種類のワイン用ぶどうが存在しますが、国際的に流通する品種は実は50種類程度です。
品種によって味わいが大きく異なるため、ボトルのラベルに品種名が書かれていることが多く、これが「品種ワイン」(ヴァラエタルワイン)と呼ばれます。対照的に、複数品種をブレンドした「ブレンドワイン」もあります。
なぜ品種を知ることが重要なのか
品種を知っていれば、ボトルを手に取る前に「だいたいこんな味」と予想できるからです。レストランで「カベルネください」と言えば、濃い赤ワインが出てきますし、「シャルドネで」と頼めば、まろやかな白ワインが選ばれます。
つまり、品種はワインの「味わいの設計図」。これを理解することで、メニューを見ても迷わず、自分好みの1本に辿り着けるようになるのです。
選ぶ前に知っておきたい基礎知識
品種選びの前に、押さえておくべき基本を3つに絞りました。
赤ワイン用品種と白ワイン用品種の違い
赤ワイン用品種は黒ぶどう(果皮が濃い紫〜黒色)で、皮ごと発酵させるため色と渋み(タンニン)が出ます。代表的なのはカベルネ・ソーヴィニヨン、ピノ・ノワール、シラーズ、メルロー、マルベックなど。
白ワイン用品種は緑色の白ぶどうで、果汁だけを発酵させるため、フレッシュで軽やかな仕上がりに。シャルドネ、ソーヴィニヨン・ブラン、リースリング、グリューナー・ヴェルトリーナー、アシルティコ等が有名です。
「国際品種」と「土着品種」の区別
国際品種とは、世界中で栽培される人気品種のこと。カベルネやシャルドネがこれにあたり、初心者でも情報が多く選びやすいメリットがあります。
一方、土着品種(固有品種)はその国や地域でのみ育つ個性派。例えばウルグアイのタナ、ギリシャのアシルティコ、オーストリアのグリューナー・ヴェルトリーナー、日本のマスカット・ベーリーAなど。慣れてきたら、こうしたニッチ品種にチャレンジすると新しい発見があります。
「単一品種」と「ブレンド」どちらを選ぶ?
単一品種(ヴァラエタル)ワインは、その品種の個性がストレートに楽しめます。「この品種ってこういう味か!」と理解しやすいので、初心者の勉強用にぴったり。
ブレンドワインは複数品種を組み合わせ、複雑で奥深い味わいを目指したもの。例えばボルドーブレンド(カベルネ+メルロー等)や、オーストラリアのシラーズ・カベルネなど。慣れてきたらこちらも試してみてください。
選び方のチェックポイント

では、実際にどの品種を選ぶべきか? 以下のステップで絞り込んでいきましょう。
STEP1: 好みの味わいタイプを把握する
まず、あなたの味覚傾向を知ることが先決です。コーヒーなら苦め派? 紅茶は砂糖入り派? こうした日常の嗜好がワイン選びのヒントになります。
- 赤ワインで「濃くて渋いのが好き」派: カベルネ・ソーヴィニヨン、シラーズ、マルベック、タナ、ネッビオーロ
- 赤ワインで「軽めで飲みやすい」派: ピノ・ノワール、マスカット・ベーリーA、ガメイ
- 白ワインで「しっかりコクがある」派: シャルドネ(樽熟成)、ヴィオニエ
- 白ワインで「爽やかでスッキリ」派: ソーヴィニヨン・ブラン、リースリング、グリューナー・ヴェルトリーナー、アシルティコ
迷ったら「ミディアムボディ」の中間タイプから始めると失敗が少ないです。
STEP2: 合わせる料理で品種を決める
ワインは食事と一緒に楽しむもの。日本の家庭料理に合う品種を覚えておくと便利です。
| 料理 | おすすめ品種 |
|---|---|
| 焼肉・すき焼き | カベルネ・ソーヴィニヨン、マルベック、シラーズ |
| 寿司・刺身 | シャルドネ(軽め)、ソーヴィニヨン・ブラン |
| 鶏肉・豚肉料理 | ピノ・ノワール、グリューナー・ヴェルトリーナー |
| トマトパスタ | サンジョヴェーゼ、メルロー |
| 天ぷら・フライ | リースリング(やや甘口)、アシルティコ |
| 鍋料理 | マスカット・ベーリーA、軽めのピノ・ノワール |
「肉には赤、魚には白」は基本ですが、調理法や味付けによって例外も。例えば照り焼きチキンなら白ワインのシャルドネがぴったりです。
STEP3: 産地と品種の組み合わせで絞る
同じ品種でも、産地によって味わいが変わります。初心者が押さえるべき「黄金の組み合わせ」がこちら:
- チリ×カベルネ・ソーヴィニヨン: コスパ最強。果実味豊かで飲みやすい
- ニュージーランド×ソーヴィニヨン・ブラン: 爽やかな柑橘とハーブの香り
- オーストラリア×シラーズ: 濃厚でパワフル、スパイシー
- フランス・ブルゴーニュ×ピノ・ノワール: エレガントで複雑(やや高価)
- オーストリア×グリューナー・ヴェルトリーナー: 白胡椒の個性、和食に好相性
- ギリシャ・サントリーニ×アシルティコ: 火山性ミネラル、魚介に最適
土着品種は、その土地の食文化と一緒に発展してきたため、郷土料理との相性が抜群です。
STEP4: 価格帯別に選ぶ
予算に応じて品種の選択肢も変わります。
1,000円前後(エントリー): チリやアルゼンチン、オーストラリアの国際品種が狙い目。品質が安定していてハズレが少ないです。
3,000〜5,000円(ミドル): ヨーロッパの土着品種や、産地の個性が出る単一畑ワインが視野に入ります。ここから「ワインの奥深さ」を実感できます。
1万円以上(ハイエンド): フランス・ブルゴーニュやイタリア・バローロなど、伝統的銘醸地のネッビオーロやピノ・ノワールが主役。特別な日に。
失敗しがちなポイント

初心者が陥りやすいワイン選びの落とし穴を4つ紹介します。
「高いワイン=美味しい」という思い込み
ワインの価格は品質だけでなく、希少性やブランド力も反映されます。5,000円のブルゴーニュより、1,000円のチリワインの方が「自分の好み」に合うことも十分あり得ます。まずは手頃な価格帯で色々試し、自分の味覚基準を作ることが先決です。
ラベルの見た目だけで選んでしまう
おしゃれなエチケット(ラベル)に惹かれて買ったものの、いざ飲んだら「思ってた味と違う…」という経験はありませんか? デザインより、ラベルに書かれた「品種名」「産地」「ヴィンテージ(収穫年)」を確認する癖をつけましょう。
「辛口」「甘口」の表記を見落とす
特に白ワインで重要なのが甘辛度。ドイツのリースリングには甘口から辛口まで幅広いスタイルがあり、ラベルに「トロッケン(辛口)」「カビネット(やや甘口)」等の表記があります。甘口が苦手なのに間違えて買うと、後悔することに。日本酒の感覚で「辛口」と思っていても、ワインでは「やや甘口」のこともあるので注意です。
「飲み頃温度」を無視する
品種によって最適な提供温度が異なります。赤ワインは常温(16〜18℃)、軽めの赤や白ワインは冷蔵庫で冷やす(8〜12℃)が基本です。特に濃厚な赤ワイン(カベルネやシラーズ)をキンキンに冷やすと、渋みだけが際立ち美味しくありません。逆にシャルドネを常温で飲むと、アルコール臭が強くなります。温度管理を少し気にするだけで、ワインの印象が劇的に変わりますよ。
予算別おすすめ

それでは、予算別に具体的なおすすめワインを紹介していきます。初心者が「まずはこの品種から」と選ぶべき銘柄を厳選しました。
エントリー価格帯(1,000円前後): 気軽に試せる定番品種
この価格帯では、チリ・オーストラリアの国際品種が圧倒的にコスパ良好です。毎日の食卓で気負わず楽しめる1本を選びましょう。
コノスル ピノ・ノワール ビシクレタ
参考価格: 793円
チリ産ピノ・ノワールの代名詞。レビューでは「軽やかで飲みやすく、ピノ初心者に最適」という声が多数。赤い果実(ラズベリー、チェリー)のアロマが特徴的で、タンニン(渋み)は穏やか。鶏肉のトマト煮込みや、豚肉の生姜焼きと好相性です。冷蔵庫で30分ほど軽く冷やして飲むと、さらに飲みやすくなります。「ピノって高いでしょ?」と思っている方にこそ試してほしい1本。
おすすめな人: 赤ワインの渋みが苦手、軽めの赤を探している、ピノ・ノワールを初めて飲む方
サンタ・リタ 120 カベルネ・ソーヴィニヨン(12本セット)
参考価格: 12,600円(1本あたり約1,050円)
チリを代表するカベルネの定番。まとめ買いで1本あたり千円ちょっとと、コスパ抜群です。カシスとプラムの濃厚な果実味に、ほのかなスパイスとバニラのニュアンス。ミディアムボディで、焼肉やハンバーグといったガッツリ肉料理にぴったり。楽天レビューでも「デイリーワインとして常備している」という愛飲者多数。12本あれば、毎週末楽しめますね。
おすすめな人: 肉料理をよく作る、濃いめの赤ワインが好き、まとめ買いでコスパを重視したい方
ペンフォールズ クヌンガ・ヒル シラーズ・カベルネ
参考価格: 2,124円
オーストラリアを代表する名門ペンフォールズの入門ワイン。シラーズとカベルネ・ソーヴィニヨンのブレンドで、ブラックベリーとスパイスが調和した力強い味わい。レビューでは「この価格でこのクオリティは驚き」と高評価。オーストラリアワインらしいパワフルさと、飲み疲れしない滑らかさが共存しています。すき焼きや焼き鳥のタレと相性抜群。飲み頃温度は16〜18℃が目安です。
おすすめな人: ブレンドワインを試したい、オーストラリアワインに興味がある、濃厚だけど重すぎない赤を探している方
ドメーヌ・ポール・マス ヴィニョーブル・ド・ニコル シャルドネ
参考価格: 1,200円前後(楽天で検索可能)
南フランス産の白ワイン入門編。青りんごと白桃のフレッシュな果実味に、ほんのりバターのようなまろやかさが加わります。樽熟成は控えめで、初心者でも親しみやすいクリーンな仕上がり。天ぷらやエビフライ、クリームパスタと合わせてみてください。冷蔵庫でしっかり冷やして(8〜10℃)飲むのがおすすめ。「シャルドネってこういう味か」を知るのに最適な1本です。
おすすめな人: 白ワイン初心者、まろやかで飲みやすい白を探している、和食にも合わせたい方
ミドル価格帯(3,000〜5,000円): 個性豊かな土着品種にチャレンジ
少し予算を上げると、ヨーロッパの土着品種や単一畑ワインが手に入ります。ここから「ワインの奥深さ」を実感できるはず。
シュロス・ゴベルスブルク グリューナー・ヴェルトリーナー シュタインセッツ
参考価格: 5,148円
オーストリアを代表する白ブドウ品種、グリューナー・ヴェルトリーナー。柑橘(グレープフルーツ)の爽やかさに、白胡椒のようなスパイシーなニュアンスが特徴的。ミネラル感が豊かで、魚介料理や寿司、刺身と驚くほど相性が良いです。日本酒好きにも受け入れられやすい、キリッとした辛口。ニッチ品種ながら、ワイン評論家の評価も高い実力派です。デカンタージュ不要で、開けてすぐ楽しめます。
おすすめな人: 白ワインで新しい発見をしたい、和食とワインを合わせたい、ミネラル感のある辛口が好きな方
フィンカ・ラス・モラス マルベック レゼルバ
参考価格: 3,500円前後(楽天で検索可能)
アルゼンチンの代表品種マルベック。濃密なプラムとブラックチェリーの果実味、ビロードのような滑らかなタンニンが魅力です。「濃いけど重くない」絶妙なバランスで、ステーキや焼肉と最高のマリアージュ。標高の高い産地で育つため、酸味もしっかりしていて飲み疲れしません。グラスに注いで30分ほど置いてから飲むと、香りがさらに開きます。アルゼンチン産ワインは日本市場でも注目度上昇中。今のうちに試しておきたい品種です。
おすすめな人: 濃厚な赤ワインが好き、南米ワインに興味がある、焼肉・ステーキをよく食べる方
シャトー勝沼 鳥居平100% マスカット・ベーリーA
参考価格: 3,647円
日本固有品種マスカット・ベーリーAの銘醸ワイン。山梨県勝沼の歴史ある畑「鳥居平」の単一畑産です。イチゴやキャンディのような甘やかな香りに、軽やかな酸味と穏やかなタンニン。和食全般(寿司、鍋、焼き鳥)と相性が良く、日本人の味覚にしっくりきます。レビューでは「日本ワインの魅力を再認識した」との声。少し冷やして(14℃前後)飲むと、よりフレッシュさが際立ちます。国産ワインを応援したい方にもおすすめ。
おすすめな人: 日本ワインに興味がある、軽めの赤ワインが好き、和食と合わせたい方
ガイア・ワインズ タラス アシルティコ サントリーニ
参考価格: 4,500円前後(楽天で検索可能)
ギリシャ・サントリーニ島の火山性土壌で育つアシルティコ。柑橘(レモン)と海のようなミネラル感、キレのある酸味が特徴的。魚介料理、特に牡蠣や白身魚のカルパッチョと抜群の相性です。火山性ミネラルの風味は、一度飲んだら忘れられない個性。ギリシャワインは日本ではまだ珍しいですが、ヨーロッパでは高評価を得ています。キンキンに冷やして(6〜8℃)アペリティフ(食前酒)としても楽しめます。
おすすめな人: 魚介料理が好き、ミネラル感のある白ワインを探している、ニッチな産地に興味がある方
ボデガ・ガルソン タナ レゼルバ
参考価格: 4,000円前後(楽天で検索可能)
ウルグアイの固有品種タナ。力強いタンニンとダークチェリー、プラムの濃厚な果実味が特徴で、「野性的だけどエレガント」と評されます。ウルグアイは南米の中でも高品質ワインの産地として近年注目されており、タナはその象徴的品種。赤身肉のグリルや、スパイシーな料理と合わせてみてください。デカンタージュ(瓶から別の容器に移して空気に触れさせる)すると、さらに香りが開きます。
おすすめな人: 個性的な赤ワインを探している、南米ワインに興味がある、肉料理をよく作る方
ハイエンド価格帯(1万円以上): 伝統的銘醸地の本格派
フォンタナフレッダ ブリッコ・デル・ネロ バローロ
参考価格: 12,000円前後(楽天で検索可能)
イタリア・ピエモンテ州の「ワインの王」バローロ。ネッビオーロ種100%で、バラやタールの複雑な香り、しっかりしたタンニンと長い余韻が特徴です。若いうちは硬く感じますが、デカンタージュや数年の熟成で真価を発揮します。ジビエ(鹿肉、猪肉)や熟成チーズとのマリアージュは格別。特別な記念日や、ワイン好きへのプレゼントに最適です。飲み頃温度は18℃前後、グラスは大ぶりのブルゴーニュ型がおすすめ。
おすすめな人: イタリアワインの最高峰を味わいたい、特別な日に開けたい、熟成ワインに興味がある方
よくある質問
Q1. 同じ品種なのに産地で味が変わるのはなぜ?
気候・土壌・造り手の哲学によって味わいが大きく異なります。例えばカベルネ・ソーヴィニヨンは、冷涼なフランス・ボルドーでは渋みが強くエレガント、温暖なチリでは果実味豊かで柔らかくなります。土壌のミネラル成分もワインに影響を与え、火山性土壌(サントリーニ)では特有のミネラル感が出ます。同じ品種でも「産地別飲み比べ」をすると、その違いに驚くはずです。
Q2. 初心者が最初に覚えるべき品種は何種類?
まずは「赤3種・白3種」の計6種類を押さえましょう。赤ワイン: カベルネ・ソーヴィニヨン(濃厚)、ピノ・ノワール(軽やか)、メルロー(中間)。白ワイン: シャルドネ(まろやか)、ソーヴィニヨン・ブラン(爽やか)、リースリング(華やか)。この6種類の特徴をつかめば、レストランのワインリストでも迷わなくなります。慣れてきたら、マルベックやグリューナー・ヴェルトリーナー等の個性派にチャレンジしてください。
Q3. 「ヴィンテージ」って気にするべき?
初心者のうちは、それほど神経質にならなくて大丈