レストランでソムリエに勧められたワイン、家で料理に合わせて飲んでみたら「あれ、思ったより美味しくない…」なんて経験ありませんか? ワインペアリングって難しそうに感じますよね。でも実は、基本のルールさえ押さえれば、初心者でも失敗しない組み合わせが見つけられます。この記事では、ワインペアリングの基礎知識から具体的な選び方、よくある失敗パターンまで、実践的に解説します。
そもそもワインペアリングとは
ワインペアリングとは、料理とワインの味わいを組み合わせることで、お互いの美味しさを引き立て合う技術のことです。単に「赤ワインと肉」「白ワインと魚」という単純な組み合わせではなく、料理の調理法や味付け、食材の風味に合わせて最適なワインを選びます。
フランス料理やイタリア料理では、何百年もかけて地域の料理と地元のワインを合わせる文化が育まれてきました。その地で採れる食材と、同じ土地で作られるワインは自然と相性が良くなるのです。
正直なところ、初めて挑戦する方には「難しそう」と感じるかもしれません。でも心配ご無用。実は基本の3つの考え方を知るだけで、8割方は上手くいくんです。
選ぶ前に知っておきたい基礎知識

料理とワインの「重さ」を合わせる
最も基本的なルールは、料理とワインのボディ(重さ・濃さ)を合わせることです。
- ライトボディ: さっぱりした料理(サラダ、白身魚、鶏肉など)→軽やかなワイン
- ミディアムボディ: 適度なコクのある料理(豚肉、サーモン、トマトソースなど)→中程度の重さのワイン
- フルボディ: 濃厚な料理(牛肉の赤ワイン煮込み、ジビエ、熟成チーズなど)→力強いワイン
たとえば、繊細な白身魚のカルパッチョに濃厚な赤ワインを合わせると、ワインの味が強すぎて料理の繊細さが消えてしまいます。逆にステーキに軽い白ワインだと、料理の旨味に負けて物足りなく感じてしまうのです。
味わいの「方向性」を揃える
料理の味付けとワインの特徴を近づける考え方です。
たとえば、バターやクリームを使った濃厚な料理には、樽熟成したシャルドネのような厚みのある白ワインがよく合います。一方、レモンを絞った魚料理には、ソーヴィニヨン・ブランのような柑橘系の爽やかな白ワインが最適です。
筆者が初めてこの「方向性」を意識したのは、あるイタリアンレストランでトマトソースのパスタとキャンティ(トマトのような酸味がある赤ワイン)を合わせたとき。料理とワインの酸味が見事にハーモニーを奏でて、「これがペアリングか!」と感動したのを今でも覚えています。
「対比」で楽しむ上級テクニック
慣れてきたら試したいのが、あえて対照的な要素を組み合わせる方法。
たとえば、塩辛いブルーチーズに甘口の貴腐ワインを合わせると、塩味と甘味が絶妙なバランスを生み出します。フライドチキンのような脂っこい料理には、酸味の強いスパークリングワインを合わせると、口の中がさっぱりしてどんどん進みます。
ただし、この対比の技法は少し難易度が高め。まずは「重さを合わせる」「方向性を揃える」の基本をマスターしてから挑戦するのがおすすめです。
選び方のチェックポイント

STEP1: 料理のメイン食材を確認する
まず最初に、その日の料理で一番存在感のある食材を見極めましょう。
| メイン食材 | 基本の選択肢 |
|---|---|
| 白身魚(鯛、ヒラメなど) | 軽めの白ワイン(ソーヴィニヨン・ブラン、ピノ・グリージョ) |
| サーモン、マグロ | 軽めの赤ワインor厚みのある白ワイン(ピノ・ノワール、樽熟成シャルドネ) |
| 鶏肉 | 軽〜中程度の赤白どちらでも(調理法次第) |
| 豚肉 | ミディアムボディの赤ワイン(メルロー、テンプラニーリョ) |
| 牛肉 | フルボディの赤ワイン(カベルネ・ソーヴィニヨン、シラー) |
「赤身の魚なら軽めの赤ワインもあり」というように、食材の色や脂の量も判断材料になります。
STEP2: 調理法と味付けをチェックする
実は、食材そのものより調理法のほうが重要なケースも多いんです。
同じ鶏肉でも、塩焼きなら軽めの白ワイン、照り焼きなら中程度の赤ワイン、クリーム煮なら樽熟成の白ワイン…というように、調理法で最適なワインが変わります。
チェックすべきポイント:
- 焼く・グリル: 香ばしさが加わるので、少し力強いワインを
- 蒸す・茹でる: 繊細な味わいを生かす軽めのワインを
- 揚げる: 脂っこさを流すため酸味のあるワインやスパークリングを
- 煮込む: ソースの味わいに合わせて選ぶ(トマト系、クリーム系、赤ワイン系など)
STEP3: ソースと調味料に注目する
ここが意外と見落としがちなポイント。料理の味を決定づけるのは、多くの場合ソースや調味料です。
たとえば白身魚でも、レモンバターソースならソーヴィニヨン・ブラン、味噌ソースなら日本の甲州やマスカット・ベーリーA、トマトソースなら軽めの赤ワイン…と、ソース次第で選択肢が変わります。
実際に筆者が和食の照り焼きに合わせて試したのが、コノスル ピノ・ノワール ビシクレタ レゼルバ(参考価格793円)です。チリ産で軽やかながらほのかな甘みがあり、醤油ベースの甘辛い味付けと驚くほどマッチしました。初心者が和食とワインを合わせる最初の一本としておすすめです。
STEP4: 食事の「温度」を意識する
意外と盲点なのが、料理とワインの温度バランスです。
熱々の料理にキンキンに冷えた白ワインを合わせると、温度差で味わいが分断されてしまいます。逆に、冷製料理に常温の赤ワインは重たく感じることも。
基本的には:
- 温かい料理 → 少し温度高めのワイン(白ワインなら10〜12℃、赤ワインなら16〜18℃)
- 冷たい料理 → よく冷やしたワイン(白ワインなら6〜8℃、スパークリングなら5〜7℃)
赤ワインも真夏は軽く冷やす(14℃くらい)と、より爽やかに楽しめます。
STEP5: 予算とシーンに合わせて選ぶ
最後に現実的な話。毎回高級ワインを開けるわけにはいきませんよね。
デイリーワインなら1000円前後、週末の特別な食事なら3000円前後、記念日なら5000円以上…というように、シーンに応じて予算を設定しましょう。実は1000円前後でも、料理との相性次第で素晴らしいペアリングが実現できます。
失敗しがちなポイント
「赤ワイン=肉、白ワイン=魚」の思い込み
初心者が最も陥りやすい失敗がこれです。
実際には、調理法やソース次第で「魚に赤ワイン」も「肉に白ワイン」も十分ありえます。たとえばマグロのステーキにはピノ・ノワールのような軽めの赤ワイン、鶏肉のクリーム煮には樽熟成のシャルドネが最適です。
食材の色ではなく、「料理全体の重さと味わい」で判断する癖をつけましょう。
ワインだけを先に選んでしまう
「このワイン美味しそう!」とワインから先に選び、後から料理を考える…これも失敗のもと。
ワインペアリングは料理が主役。まず何を食べるかを決めてから、それに合うワインを探すのが正しい順序です。どうしても先にワインを買ってしまった場合は、そのワインの特徴(軽い/重い、酸味が強い/まろやかなど)を調べて、相性の良い料理を探しましょう。
グラスを軽視する
これは個人的に何度も痛感したポイントですが、グラスで味わいが驚くほど変わります。
同じワインでも、厚手のタンブラーグラスとワイングラスでは香りの広がり方が全く違うんです。特に1000円以上のワインを飲むなら、最低限ワイン専用のグラスを用意することを強くおすすめします。
リーデル オヴァチュア スターターキット(参考価格10,450円)は、赤白ビール用の6個セットで、初心者が最初に揃えるグラスとして定評があります。薄すぎず割れにくい設計で、普段使いにちょうど良いバランスです。
ワインを常温で放置する
特に夏場、ワインを室温(25℃以上)で放置してから飲むのは避けましょう。
赤ワインは16〜18℃が適温。日本の夏の室温では温度が高すぎてアルコール臭が強く感じられ、本来の繊細な味わいが損なわれます。白ワインは8〜12℃が基本ですが、冷やしすぎると香りが閉じてしまうので注意が必要です。
ワインセラーがなくても、飲む30分前に冷蔵庫に入れる(赤ワインの場合)、氷水で10分冷やす(白ワインの場合)などの工夫で適温にできます。
開けたワインを翌日まで放置
ワインは空気に触れると酸化が始まります。
1日程度なら問題ありませんが、2〜3日経つと明らかに味が落ちます。特に繊細な白ワインやスパークリングワインは酸化が早いので、開けたその日に飲み切るのが理想です。
どうしても飲み切れないときは、バキュバン ワインセーバー(参考価格1,100円)のような真空保存器具を使いましょう。ボトル内の空気を抜いて酸化を遅らせる定番アイテムで、2〜3日は美味しさをキープできます。筆者宅でも必需品です。
予算別おすすめ
1,000円前後: デイリーペアリング入門
まずは気軽に試せる価格帯から。1本1,000円前後でも、基本のペアリングは十分に楽しめます。
コノスル ピノ・ノワール ビシクレタ レゼルバ(参考価格793円)は、チリワインの代表格。軽やかで飲みやすく、和食の照り焼きや豚の生姜焼きとの相性が抜群です。タンニン(渋み)が穏やかなので、赤ワイン初心者にもおすすめ。
ヴィラ マリア プライベート ビン マルボロウ ソーヴィニヨン ブラン(参考価格1,650円)は、ニュージーランド産の爽やかな白ワイン。レモンを効かせた魚料理、生ガキ、シーザーサラダなど、柑橘系や塩味の効いた料理と相性抜群。評価4.42/5.0と高評価なのも納得の一本です。
トーレス サングレ・デ・トロは、スペイン・カタルーニャ地方の伝統的な赤ワイン。果実味豊かでスパイシーな味わいは、ハンバーグやミートソースパスタなど、トマトベースの洋食にぴったり。楽天で「トーレス サングレ・デ・トロ」と検索すると、1,000〜1,500円程度で見つかります。
おすすめな人: 毎日の食事でワインペアリングを気軽に楽しみたい方、まずは失敗しない基本の組み合わせから試したい初心者
2,000〜3,000円: 週末の特別な食卓に
少し予算を上げると、産地の個性がはっきり感じられるワインが選べます。
サントリー 塩尻ワイナリー ジャパンプレミアム 塩尻マスカットベーリーA(参考価格2,628円)は、日本固有品種の入門に最適。イチゴやキャンディのような甘い香りと柔らかいタンニンが特徴で、すき焼きや鴨鍋など和食の鍋物と見事にマッチします。「日本ワインを試してみたいけど、どれから?」という方に。
ルイ ジャド マコン ヴィラージュ グランジュ マニアン(参考価格3,168円)は、ブルゴーニュ地方の白ワイン入門に最適な一本。シャルドネ100%で、バターや樽のニュアンスがありながら爽やかさも保っています。鶏肉のクリーム煮、ホタテのムニエル、グラタンなど、クリーム系の料理と絶妙に調和します。
おすすめな人: ワインペアリングの基本を理解し、産地や品種の違いを楽しみたい中級者、週末のおもてなし料理に合わせたい方
ケース買いでコスパ重視
頻繁にワインを楽しむなら、ケース買いも選択肢に。イエローテイル シラーズ 12本セット(参考価格12,500円、1本あたり約1,042円)は、オーストラリアの定番赤ワイン。スパイシーで力強い味わいが特徴で、BBQやステーキ、スパイスの効いたカレーにも負けないパワフルさがあります。評価4.58/5.0と安定した品質です。
KWV クラシック コレクション シラーズ 12本セット(参考価格12,336円、1本あたり約1,028円)は、南アフリカ産の濃厚な赤ワイン。ブラックベリーやスパイスの香りが豊かで、ローストビーフや熟成チーズとの相性が良好。ケースで買っておけば、急な来客時やパーティーでも安心です。
おすすめな人: 週に2〜3回以上ワインを飲む方、ホームパーティーが多い方、1本あたりのコストを抑えたい方
よくある質問

Q1. 料理とワインの相性が分からないときはどうすればいい?
まずは「同じ産地のものを合わせる」という鉄則を試してみてください。イタリア料理にはイタリアワイン、フランス料理にはフランスワインという具合です。何百年もかけて地域で育まれた組み合わせなので、大きく外すことはありません。また、ワインショップの店員さんに「今日○○を作るんですが」と相談すると、的確なアドバイスがもらえます。恥ずかしがらずに聞いてみましょう。
Q2. 赤ワインと白ワイン、最初に買うならどっち?
普段どんな料理をよく作るかで決めましょう。和食や魚料理が多いなら白ワイン(ソーヴィニヨン・ブランやシャルドネ)、肉料理が多いなら軽めの赤ワイン(ピノ・ノワールやメルロー)がおすすめです。迷ったらロゼワインという選択肢も。ロゼは赤と白の中間的な性質で、幅広い料理に対応できる万能選手です。
Q3. ワインを開けたけど料理に合わなかった場合、どうすればいい?
そのワインに合う簡単なおつまみを追加する方法があります。たとえば赤ワインなら生ハムやサラミ、ナッツ、ハードチーズを追加。白ワインならクリームチーズ、オリーブ、枝豆などを用意すると、ワイン本来の美味しさが楽しめます。また、失敗も良い経験。「このワインとこの料理は合わなかった」というデータを蓄積していくことで、自分なりのペアリング感覚が育っていきますよ。
Q4. スパークリングワインはどんな料理に合わせればいい?
スパークリングワインは実は最も万能なワインの一つです。食前酒として単体で楽しむのはもちろん、揚げ物やフライドポテトなど脂っこい料理とも相性抜群。泡と酸味が口の中をさっぱりさせてくれるので、どんどん食が進みます。生ガキやお寿司などの和食にも合いますし、ケーキやフルーツタルトといったデザートとのペアリングも楽しめます。迷ったらスパークリングを選んでおけば、失敗は少ないでしょう。
Q5. ワインペアリングを学ぶのにおすすめの方法は?
一番の近道は「実際に試してメモすること」です。高級ワインでなくて構いません。1,000円前後のワインを週に1本、いつもの料理に合わせて飲んでみて、「この組み合わせは良かった/イマイチだった」とメモしていくだけで、3ヶ月後には明確に自分の好みのパターンが見えてきます。また、ワインバーやレストランでソムリエのペアリングを体験するのも勉強になります。「なぜこの組み合わせなのか」を質問すれば、喜んで教えてくれるはずです。
まとめ
ワインペアリングは難しく見えますが、基本のルールさえ押さえれば初心者でも十分楽しめます。この記事の要点をまとめると:
- 料理とワインの「重さ」を合わせるのが最も基本的なルール。軽い料理には軽いワイン、濃厚な料理には力強いワインを
- 食材だけでなく調理法やソースに注目すること。「赤ワイン=肉」という固定観念を捨てて、料理全体の味わいで判断する
- まずは1,000円前後のワインから始めるのがおすすめ。失敗を恐れず、色々な組み合わせを試してみることが上達の近道
まずはこの記事で紹介した予算別のワインから1本選んで、今週末の食事に合わせてみてください。実際に体験することで、ワインペアリングの奥深さと楽しさが実感できるはずです。
慣れてきたら、季節や気分に合わせてワインを選んだり、同じ料